管理組合の一番の備災は日頃からの総会力 その1

総会の意味と総会での決議事項を理解しておくことで、災害後の復旧に大きな差が生まれます。つまり、総会の種類と決議事項(普通決議と特別決議)を理解して日頃から開催することも災害に備えることなんです。

先ずは「マンションの管理組合の総会」ってどんなものなのかを、少し簡単にまとめてみました。

総会は、管理組合(区分所有者でマンションの管理を運営する団体)の最高意思決定機関とされています。

総会は、区分所有者によるものですが、総会で決まったことは、区分所有者だけでなく、家族などの同居人も、守る義務があるのはもちろん、賃借人の居住者も、建物や敷地、附属施設などの使い方を守らなければなりません。

では、どんな種類があるのでしょうか。次にまとめてみました。(2種類)

総会◆通常総会…年1回必ず開催
       ・前年度の収支決算報告と新年度の予算案の承認
      ・事業報告と案(補修工事など)の承認
      ・役員選任承認
       ・管理委託契約更新の承認 
          ・規約改正に関する案の承認  など
 【開催時期】 管理組合の新会計年度開始後2ヶ月以内
 【開催の通知】開催の2週間前までに
 
         
☑臨時総会…重要な課題があり、総会前に必要とされる場合に応じて開催
      ●急を要する議案がある場合
        ・補欠理事の選任の承認
        ・緊急の設備補修の承認  など
    
      ●時間のかかる議案を1度の総会で決議できなかった場合
        ・大規模修繕工事
        ・通常総会で否決されたが急を要する案件の為再検討し
         再上程

 【開催時期】 ①理事会による招集           
        ②組合員による招集           
        ③監事による招集           
 【開催の通知】①通常2週間前までだが、理事会の承認を得れば 
         総会の5日前まででOK
        ②理事長は請求の日から4週間以内を臨時総会の日
         開催の2週間以内
        ③単独で招集できる

※少し複雑な臨時総会の流れを図にしてみました。

①理事長による招集(理事会の判断でいつでも可)

理事長が臨時総会開催を必要と認める

    ⇩

理事会で決議し、承認を得る

    ⇩

理事長が臨時総会を招集する

    ⇩

理事長が議長を務める

②組合員による招集(会議の目的を示す)

組合員総数の1/5以上と議決権総数の1/5以上の同意を得る

    ⇩

理事会に総会の招集を請求する

    ⇩                     ⇩

理事長が招集の通知を出す      理事長が招集の通知を出さない

    ⇩                     ⇩

理事長が務める           組合員の議決権の過半数の賛成を得た                    組合員が組合員が議長を務める

➂監事による招集(組合財産の状況や理事の業務執行の不正を発見時)

不正に気づいた監事が、単独で臨時総会を招集

いずれの総会も区分所有者にとってはとても重要な会だということとですね。特に臨時総会はマンションの住人にとっても重大な案件に関わることが殆どです。

災害が起きた場合は「臨時総会を開催する」ことが考えられます。

平常時でも「臨時総会を開催する」ことは、準備などをスピード感を持って行わなくてはならず、通常総会以上に労力がかかり、決議していくことが大変困難であります。

つまり、『普段から通常総会に出席したことがない、委任状・議決権行使書すら提出をしたことがない』という組合員が多い管理組合では、災害という生活すら混乱している状況での「臨時総会」に臨むことはかなりハードルが高くなってしまうということです。

では、その「総会」ではどのような議案を決議していくのでしょうか。次回は、このことに触れてみたいと思います。  つづく